テイエムオペラオーがたいしたことないなんてことあるはずがないわけだしナリタトップロードもウマ娘参戦希望です⑤

前の記事でオペラオーは引退しましたが、もうあとちょっと続きます。


テイエムオペラオーが引退した後の2002年。
古馬中長距離路線の主役となるのはオペラオーを破った4歳馬のジャングルポケット、そしてマンハッタンカフェになるでしょう。
しかしこの馬もいます。6歳になったナリタトップロード。ただで若い馬に道を譲るわけにはいきません。

世代の意地

この年もナリタトップロード京都記念から始動します。
しかし60キロという重い負担重量、有馬記念も惨敗していることからここでは3番人気にとどまります。(このころの京都記念は賞金額で負担重量が決まっていたため)
人気は2歳年下で前年のクラシック戦線で活躍したボーンキングやミスキャストでした。
ボーンキングはダービー馬フサイチコンコルドの弟、ミスキャストは名牝ノースフライトの仔といずれも良血。

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ナリタトップロードは2番手からレースを進め、最後は同世代のマチカネキンノホシとの叩きあいを制して久々の勝利。
年下の馬たちを寄せ付けない堂々たる競馬でした。
ちなみにマチカネキンノホシアドマイヤベガメイショウドトウの2着に入ったこともある馬でG2を2勝しています。
主戦騎手が岡部の外国産馬ということもあり、とにかく「大物感」はすごい馬でした。
しかしG1になると力不足という感じがあり、ほとんど掲示板にも載れていませんが実績自体は悪くないものです。


ナリタトップロードはさらに阪神大賞典から天皇賞を目指します。3年連続で同じローテーションとなりました。
ここに出走してきていたのがジャングルポケット。昨年のダービーとジャパンカップを勝っているこの世代の大将格。
前走を勝っており、ここは得意の距離ということで1番人気に支持されたのはナリタトップロードのほうでした。

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ここでも先行策をとったナリタトップロードは追いすがるジャングルポケットを寄せ付けない完勝を飾ります。
阪神大賞典を連覇、重賞2連勝。トップロードが連勝するのは実に3年ぶりということになります。
ようやくこの馬の時代がやってきたのかという走りで堂々と天皇賞へ向かうことになりました。


第125回天皇賞

2002年4月28日京都芝3200m 曇 良

昨年の菊花賞有馬記念を勝ったマンハッタンカフェが年明け初戦の日経賞を6着と惨敗したこともあり、
1番人気に支持されたのはナリタトップロードでした。僅かな差で2番人気となったのがマンハッタンカフェ
ここにジャングルポケットを加えた3強の戦いとなりました。

4枠4番マンハッタンカフェ
5枠5番ナリタトップロード
6枠7番ジャングルポケット

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3頭が睨みあいながらレースを進める形となりましたが、トップロードは先に抜け出したマンハッタンに届かず、
後ろからきたジャングルポケットにもかわされての3着に終わります。
直線競馬になるとやはりキレ負けしてしまう感がありますね。
これで天皇賞春3年連続3着という珍記録を樹立。


宝塚記念はこの年もスキップ。
ジャンポケもマンハッタンもいない宝塚記念を勝ったのは4歳世代のダンツフレームでした。
皐月賞2着、ダービーも2着、直前の安田記念も2着のこの馬にとっては悲願の勝利となりました。
ちなみにこの世代の自分が好きな馬はこのダンツフレームだったんですが、種牡馬にもなれず悲運の最期といろいろ残念でした。

このアグネスタキオン世代も強い世代と言われていますが、
タキオンクロフネは故障で早期離脱、ジャンポケは古馬になってからは1勝もできず引退。
春に古馬G1を勝ったマンカフェも凱旋門賞で故障してこの年1勝で引退。
また、ダンツも宝塚記念の後はわずかにG3を1勝したのみであり中長距離路線での存在感はすぐになくなってしまっています。
世代の強い弱いを言っても仕方ないですが、それが「事実ベース」だと思ってます。


ナリタトップロードは最後の秋も走り続けます。

初戦はこれで3年連続となる京都大賞典へと出走。
渡辺騎手の負傷により鞍上は四位騎手へと乗り替わりになっていましたが、
後のG1馬ツルマルボーイタップダンスシチーを寄せ付けない完勝でした。
オペラオーがいたときには勝てなかった前哨戦はしっかり勝っていけていますね。

今度こそ…と秋の天皇賞へ向かいますが、この年は東京競馬場が改修工事で使えず、
天皇賞秋、ジャパンカップ有馬記念の3戦すべてが苦手の中山競馬場で行われることになっていました。
とにかく運がない…

第126回天皇賞

2002年10月27日中山芝2000m 晴 良

4歳のG1馬テイエムオーシャンダンツフレーム
5歳のG1馬エアシャカールアグネスフライトエイシンプレストンがおり、
ここに6歳の菊花賞ナリタトップロード、3歳のダービー2着馬シンボリクリスエスが揃うレースとなった秋の天皇賞
人気は札幌記念を快勝した2冠牝馬テイエムオーシャンが1番人気で、以下トップロード、クリスエスと続いていました。

1枠1番ナリタトップロード
4枠8番シンボリクリスエス

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先行したテイエムオーシャンが伸びない中、最内から外に持ち出して追い込んでくるナリタトップロード
よく伸びているもののシンボリクリスエスには届かずの2着でした。
しかしそれ以外の年下の馬はねじ伏せており、世代の力を見せたといえるでしょう。


続くジャパンカップも苦手の中山中長距離で、海外馬ワンツーの遥か後方となる10着。
それでもファンはナリタトップロードを推し、有馬記念のファン投票では1位になります。
これまで一度も好走すらしていない有馬記念でしたが、ファンの声にこたえここを引退レースに選びます。

渡辺騎手も怪我から復帰してのラストラン。しかし残酷にもが降り、馬場は稍重でした。
晴れていないと走れない馬であることをもうみんな知っているので、いい加減にしてくれよ!と思ったものでした。

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それでも4番人気だったナリタトップロードは先行して意地を見せ、
勝ち馬からは離されたものの1番人気のファインモーションをかわして過去最高の4着でゴール。
4着なのでさほどよくはないですが、過去の有馬記念での惨敗ぶりを考えると
不利な条件で大健闘と言っていい内容で、ファンも大声援で引退を見送ったのでした。

最後まで王道路線を戦い続けたナリタトップロードもこれで引退。
オペラオーが去った後の1年間、G2を3勝し年下の4歳馬、3歳馬にも本番では勝てないものの互角に迫る戦いぶりをし、
その戦いぶりは同世代のオペラオーやドトウの評価の低さに抵抗し続けたものでもあると勝手に思っていますw

と、いうわけでここまで見てきましたが、オペラオーが勝った年のライバルがだいたいいつも同じだったのは確かですが、
他の世代と比べて相対的に大きく劣るかというとどう見てもそんなことはないというのが分かると思います。
1回だけ物凄い勝ち方をした馬は確かに派手ですが、オペラオー、ドトウ、トップロードと王道路線を戦い抜いた馬もまた評価に値する戦いぶりだったと言えるでしょう。

さて、あとちょっと余談が続きます。